三巨頭新城島上陸。

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『新城島5日目』

一昨日の朝急に発生した台風12号。
その後、急激に勢力を強めてこの日の午前5時前、
八重山地方を暴風域に巻き込みました。


翌早朝、凄まじい轟音と揺れに眼を覚ます。
何と言うか、ひっきりなしに頭上を電車が走っている轟音と言うか…。
凄まじい轟音、震撼する家屋。
この威力は内地の台風とは比べ物になりません。

そして午前5時半、停電。
一旦は持ち直したのですが、再び停電。
雨戸を閉め切っているので辺りは真っ暗闇。


『………』
(携帯電話のライトを用いて撮影)

真っ暗な中、凄まじい轟音と振動。
木の雨戸なので何時風で吹っ飛んでもおかしく無い状態。
何時ぞや、数m離れたところにいるオルフェの胸を撃ち抜いた
ラダマンティスの拳圧の威力は台風並みと書いたが、
まさか、これほどのものとは…。
凄まじいなんてモンじゃない。なんて威力の拳を放つんだラダマン!

そのラダマンティス氏は、

『勘弁してくれ…』

雨戸が吹っ飛ぶとたちまち家中を風雨でめちゃくちゃにされたと言う話を
去年台風13号の被害に遭った人から聞いたことがある。
持ち堪えるかどうかの全てはこの木製の雨戸に掛かっているのだ。
しかも、宿の中にまで砂や雨が降って来る!
命はともかく、荷物を全て鞄の中に入れノートパソコンと、iPodの安否を気遣っていました。
これが濡れたら、八重山紀行が全てパァだ!

台風の威力は凄まじいなんて一言では片付けられないです。

『………』

ひたすら雨戸を叩き付ける風。
強風が家の中を駆け抜け、地震のように家屋が揺れ続けるんですな。
午前6時半、一端台風の目に入って風雨は収まったのですが、程なく再び暴風域再開。
7時半の段階で台風は西表島の上空に到達。
西表って、すぐお向かいじゃん!
凄まじい自然の猛威に、この時人間のちっぽけさをイヤと言う程実感させられました。
こうなれば、人間などただの塵芥。
オバアとオジイは他の建物にいるのでここには私一人。さも無きゃマイス撮影できんか。
ただ一人、この真っ暗闇で何時何処の雨戸が吹っ飛ぶのかと半泣き状態。
この暴風と豪雨しか存在しない極限状態で取った手段はただ一つ、
『一人地名しりとり』をして気を紛らわせる事のみでした。


唯一のガラス窓から外の様子を見る。
ちなみに、ご飯はオバア達の居る母屋に食べに行かねばならないのだが、
とにかくそこに到達するまでが大変。
全方位から雨が降るので、雨の防ぎようが無い。
下から雨が降るなんてギャグの世界だけだと思ってました。

ちなみに、何があっても外に出るな、絶対に雨戸を開けるなと強く言い渡されました。
出ねえよ!開けねえよ!
でも、観光客とかでいるよな。物珍しさに海まで行こうとする奴。
そして、窓ガラスにも近寄るなと言われました。
何時何処から飛来物が直撃するか判らないので…。

その後、風の威力が弱まってから遅いお昼ご飯を持って来てもらいました。

まるで伝染病で隔離された気分でした。はい。


うんざりする程暴風を体感させられた後、
夕方頃には風もマシになって来ましたがそれでも内地の台風並み。


雨が降り続くのでどこにも行けず、もうひたすら寝るしかない。
『………』

尚も停電状態が続くので夜はキャンドルサービスでご飯。

ボリュームは相変わらずなので喰っちゃ寝だ。
ダイエット云々より、糖尿の方が心配になって来る。


散々怖い思いをした為か、キャンドルの光って、人の心を和ませる。

外にも出ることが出来ないので、

ノートパソコンで編集作業だ。
が、停電しているので長くは続けられない。
台風対策で持って来たはずだったが盲点。

ロウソクの光を消すと真っ暗闇。
何とこの日は宿から一歩も出ることは無いまま夜8時に就寝。
暗闇の威力は凄いです。
そのまま翌朝の7時まで一度も目覚めること無く爆睡。
良く考えたら前日は5時から起きていたからなあ。


『新城島6日目』

そして翌日、風も治まりようやく閉め切った雨戸を開けることに。
散々恐ろしい思いをした昨日でしたが、

沖縄の台風なんてこんなもん、
ナイチャー(内地の人間)だからビビりすぎたのだ、と安直に構えていました。
喉元過ぎれば熱さも忘れる。
何せ、規模も実体も全く良く判らなかったからです。

で、早速周りがどうなったのか気になって集落を探索して来ました。

『ラダマイス、台風一過後の集落を行く』


木が、倒れていた。


この木はオジイが鋸で分断して撤去しました。


石垣には多くの葉っぱが積まれてました。


主要道路は既に清掃されているようです。


林の中はめちゃくちゃ。
パパイヤの実が葉っぱごと無くなっていました。
収穫間近だったオジイのバナナも全てやられてしまいました。


風が海水を運んで来るので植物への被害は甚大です。


外れの道はこの有様。
枝や倒木が道路を埋め尽くす。


ある家は、雨戸が一つ飛んで中がめちゃくちゃになっていました。
私が同じ目に遭っても何の不思議も無いのです。


ある家は、屋根が飛んで中がめちゃくちゃでした。
イヤすぎる…。
電話線が切れているので、ここの所有主に連絡したくても出来ないのです。


何処から飛んで来たのかトイレロールのようなものが道を塞いでました。
『のお!』


細い木の枝は須く折れている。
『………』


元小学校の物置小屋は屋根が飛んで壊滅状態。


自動販売機は元から空です。

港方面に出てみる。

新城島条例の書かれた看板も飛んで行ってしまいました。

しかし、

『ハブクラゲ注意』の看板は無事でした。
写真は無いけど。
『………』


台風が来る前、左側に寄せてあった魚取りの籠が、
通過後は全て右に寄ってました。

よく見たらガードが曲がっている。

どんな威力で突っ込んだのか。

それどころか…。

ある籠はぐにゃぐにゃに曲がってガードに食い込んでいる。
一体どう言う威力なのか、もう想像も付かない。

港の前方は元から何も無いので変わらない。

だから予め何も無いんだろうなあとしみじみ。

そして、

雲で西表島が完全に見えなくなっている。
この時、台風で消滅したのではないかと本気で危惧しました。

台風12号の威力は私が想像していた以上のものでした。
瞬間最大風速65.9m。観測史上2番目です。
今回の台風を体験して、どうして現地の人は台風に備えないのだろうと
一瞬訝ったりもしたのですが、
そこはそれ、直撃するまで規模や実体なんて、殆ど判りません。
増してや今回の12号は急激に発達して直撃したのです。

そして最も恐ろしいのは史上2番目の最大風速を観測したことです。
一番は去年の台風13号で、瞬間最大風速69.9m。
次の年にはもうそれに匹敵する台風が来ている。
これはこれで恐ろしい話だと思いました。
今後、風速70m級の強い威力を持った台風や、
巨大台風が恒常的に発生する可能性があると言うことです。
近い将来、本州にも風速70m級の台風が上陸するかもしれません。


散々恐ろしい脅威を見せつけられた後で、浜辺の近くを舞う蝶々に出会いました。
あの威力の中で生き残れただなんて…。
もしかしたら、今朝羽化したものかもしれませんが。

何か漂着物は無いか浜へと繰り出すチビラダ。

波は相変わらず高い。


…殆ど何も見当たらない。


あると言えば中国からのペットボトルがまばらにあるのみ。


むしろこちらから色々と流されたり飛ばされたりした様子だ。


何か流れて来ることを期待しているようですが、何も流れて来ません。


しょんぼりして浜を後にする。
終始ピンぼけだ。

で、できることと言えば、宿に戻ってひたすら溜まった砂を掃き出すことと、
傾いた看板の立て直し、絡まった飾りの浮き球を元に戻してやる作業でした。
しかし、何をして良いのか判らない、それが実情でした。
それはオジイオバアとて一緒。
もう、何から直して良いか判らない、そう言う状態です。


取り敢えず寝ているラダマイス。


何をして良いか判らない上、もう寝るしかない。
編集したくとも、もうパソコンの電池が保たない。


『………』
仕方無いので腐っている。

台風の被害を目の当たりにしたラダ一家。

APラダ『全く激しかったよな』
ラダ『ああ、激しかった』
と、言ってラダマイスが思い出しているのはサガのこと。

そのサガは…、

港まで繰り出していました。


甚大な被害に心を痛める時期教皇候補。
『候補は余計だ』


何より、この島に来る船が一隻もありません。
西表にはちょくちょく出ているようですが。
『船が来るのは何時の日ぞ…?』
気分はまさにロビンソンクルーソー。


夕方になってようやく西表が薄らと見えて来ました。
消滅した訳では無かったようだ。

その日の晩ご飯は月明かりで頂きました。
名付けてムーンライト定食。
風情あるけど薮蚊のすっげえこと…。
薄手の綿生地ぐらいなら余裕で貫通ですよ。

その夜、相変わらず電気は復旧しないまま。
去年は沖縄本島から応援が大勢駆け付けたので、離島の復旧は早かったそうです。
しかし、今年はその本当もやられているので応援の来ようがない。
電気が全く復旧しないことにオジイもオバアもすっかり腐って、
『ウチみたいな離島は見捨てられとる』
とぼやいていましたが、

夜西表を見に行ったら、西表も停電していました。
僅かな明かりは多分小浜島のリゾートホテル。自家発電しているようなので。

その帰り道で、聞き覚えのある羽音を耳にしました。
近くの木に止まったのでフラッシュを焚いたらば…。
 お。


蝙蝠です。
こうして見るとやはり哺乳類。可愛いなあ。

以上が台風12号直撃レポートの全容ですが、
いかんせん私は観光客で、どんなに恐ろしい思いを現地でしても、
自分の身と荷物さえ守れれば後は大丈夫な訳です。
しかし、そこに住んでいる人間は台風によって、生活基盤の全てを揺るがされます。
その恐怖と不安は、私が感じたものと比べ物にならない程大きいのです。
そのことへの配慮の無さがいずれ現地の人に迷惑をかけることにもなります。
今後旅行をする時はそう言った配慮を忘れない、
想像力を少しは働かせようと自戒の意味を込めてここに記しておきます。

次回はいよいよ最終章だ。