WSTマイス北海道紀行-秋の陣-

前書き

前書きなんざどうでもいいので本題にスキップ

夏休みに新日本フェリーで北海道旅行をした管理人。
風呂に入って飯を食って寝るだけと言う優雅な生活に味を占めてしまい、何としてももう一度乗りたくなった。
そこで10月の体育の日が三連休になったので判明した時点で速攻フェリーの予約をとったのだ。
…だが、前回と同じ舞鶴-小樽も何だか捻りがない。
何よりも、予約を取った一ヶ月前の時点で小樽・札幌ともに10/8-10/9の宿が一泊2万円クラス以下は皆無だったのだ。深夜着で2万もかけるだなんてもったいなさ過ぎる。

かたや、苫小牧はいくらかビジネスホテルの空きがあった。そして、室蘭水族館にも行ってみたかったので苫小牧港から室蘭に移動のプランを立てた。

調べてみたところ、船が着いた時間に苫小牧から室蘭への列車が走っている。室蘭もそこそこに宿が安かったので船で苫小牧に着いたら室蘭に一泊のプランにした。

だが、この時点でうっかり東室蘭駅の宿をとってしまっていた。東室蘭と室蘭の区別がついていなかったのだ。だが、大体の列車が東室蘭止まりで、室蘭水族館までは東室蘭からバスで行けるのでそんなに支障はなかった。

だが、旅行日が近づいてよく調べてみたところ、新日本フェリーは苫小牧には行くが、苫小牧は苫小牧でも苫小牧港に着く。そして、フェリーのバスはJR苫小牧駅ではなくJR千歳駅へ向かうのだ。
そしてさらに調べて絶句した。JR苫小牧から苫小牧東までは実に大阪南港と神戸六甲アイランドぐらい離れている。
苫小牧東に最寄りの駅は浜厚真駅。海を臨む無人駅で、港からタクシーで行ったとしても着いた時間には電車はもう来ないかもしれない。噂では道中熊が出没する危険性があるため、新日本フェリーも夜間に徒歩で浜厚真駅へ向かうことは激しく推奨していない模様。始発まで野営も時期を考えたら狂気の沙汰だ。
じゃあ、苫小牧東港からJR苫小牧までタクシーで行けばいいじゃないと思ったが、NAVITIMEで料金を調べて更に絶句した。9,000円とかマジですか…。

地元のタクシー会社のサイトの見積もりも同じような価格だ。調べたところ、苫小牧東は隣の市になるので市を跨ぐために料金が跳ね上がるとかでっかいどうだからなど色々書いてある。
バスがなければタクシーで行けばいいじゃないが通用しない地域があるのだ。

JR苫小牧から東室蘭へ向かう気満々だったので、この時点で何だか辿り着けない気がして東室蘭のホテルの予約をキャンセルした。千歳空港に24時間営業の温泉があるそうなので、そちらで宿泊することにした。思えばこれが大誤算だった。

そして旅行が近づいてきた時に更に事態は悪化してきた。今年はやたら台風が多かったが、10月の初頭になってから台風が関西に近づいてきたのだ。しかも、船に乗る日に直撃予定。
サイトを見たところ、私が乗る一日前は運航取りやめしている便もあった。
大丈夫かいなと思っていた矢先にギリギリ温帯低気圧に変わり、船は予定通り出航するらしいが…。

当日の朝になって新日本海フェリーから到着が2時間遅れる電話が来た。私はどんな時間になっても千歳空港にさえ行ければ良いので、それでもかまわないと言った。電話を掛けてくれたお姉さんはとても良い方で、接続の列車の時間を調べて懇切丁寧に教えてくれた。

この時点で慌てて苫小牧や千歳市や札幌の宿を調べたがほぼ全滅。 あるとしても駅から車で行く距離か一泊3万円クラスしかない。

出発-敦賀港編

敦賀まで向かう高速バスがなかったために今回はJRで向かうことにした。
20:01分の新快速に乗って長浜まで行き、そこから敦賀行に乗り換えるのだ。

旅の始まりは京都駅。
山陰線で二条から京都までやって来た途端、サンダーバードが凄く誘惑していた。
…楽だけど、高いんだよな…。

在来線を使えば1,660円で敦賀まで行けるのだ。乗り換えあるけど。

何も考えずに並んで乗ってしまったが、私が乗った車両は後部車両で米原駅で切り離しだった。しかも7両目。
最初から幸先が悪い。戦々恐々としながらやや混んでいる車内をじりじりと前の車両まで移動していた。
切り離している隙に乗り換えられるはずなのだが、何だか早く移動しておいて安心したい心理が働くのだ。

仕事が終わるか終わらないかのうちに職場を飛び出しそして戦々恐々としながら電車に乗って敦賀まで向かっているが、敦賀到着予定は21:52分。バスの出発は22:00。
敦賀駅で出口を迷ったりしたらバスが出てしまうパターンじゃないのか。
だが、8分も余裕があるのなら大丈夫だろう、そう思った矢先に人身事故で信号待ち・接続の電車待ちになった。
物凄く幸先が悪い。

そして、電車は長浜駅に着いたが、人身事故の影響で待ち合わせ時間があまりないとのこと。高架を越えなければならないのか、何処から乗っていいかわからず右往左往する。だが、大体の人は敦賀行に乗るので、こういう場合は人の流れに乗るのが良いと思われる。

何のかんので敦賀駅到着。2012年に訪れていたはずだが改装されていて一瞬出口がわからず焦った。

何とか無事にバス乗り場に辿り着き、バスに乗ることができた。


…誰もいない…。と、思いきや先にもう一人乗っていたみたいだ。
だが、それでも乗客二名。採算がとれるのか心配になってくる。


そして、バスは敦賀港に到着した。
秋の北海道は突然寒くなることもあると言うのでライダースジャケットを着てきた。
敦賀も台風一過で風が強く肌寒かった。


敦賀港の図。
駅と言い全身で近代建築であることを訴えかけてくる。

敦賀港と私。

「入港は遅れてもバスは定時だ」

入港時間も遅れていたのだ。

出航が遅いということは即ち、

「待合所でずっと待機しておけと言うことだ」

それも退屈なので周辺をうろうろする。
舞鶴よろしく沢山の釣り人達がいた。よってマイス撮影は無し。つか写らない。

今回はすいせん。はじめまして、すいせん。


車両搬入口。トラックが慌ただしく幾度も出入りしていた。

外出てもやることがないので戻って来た。

昼間に買った弁当を喰い、ゾディアック・ブレイブのミッションをこなして過ごす。


「…一体いつになったら乗船を開始するのだ…」
周囲のお客さんも結構そわそわしており、タラップから船内に入ろうとして船員に追い返されていた。

そりゃ今来たところなのだ。食料や資材の搬入や清掃など、いろいろとやることがあるだろう。
何より驚いたのは10人ぐらいの掃除用具を持った人たちが入っていって、数十分後に出てきたことだ。
彼らはきっと清掃員だろう。あんな広い船をこんな少人数・短時間で清掃をこなすだなんて凄い。

そうこうしている内に乗船案内が開始された。

今回のすいせんの船内はこんな感じ。


やっぱり4階から6階は吹き抜け。

で、船室の方は…。前回と同じ窓際にしたがベッドに窓がなかった…。
悲しみのあまり写真を撮っていない。

夜も遅かったので風呂もそこそこに早々に寝てしまった。

フェリーすいせん編

一夜明けて、朝…と言うか昼前。
何となく予感していたが結構揺れている。揺れているために起きたら酔ってしまうだろうとなかなか起きられないのだ。

前回の北海道は台風一過して晴れたが、今回は温帯低気圧として日本海に居座って少し時化ていた。

とは言っても写真ではほとんどわからない。


波の高さは2mないだろうと信じたいが…、結構揺れる…。
与那国行きのゲロ船ほどではないが、11年前に沖縄に行った時並みの揺れだ。
トイレに行ったりご飯を食べるなどの生理的活動を遠慮してしまうレベルの。

空かさずアネロンニスキャップを呑んだが、酔い止めと言うものは出航一時間前までに飲まないと意味をなさない。出てからでは遅いのだ。

飲んでも喉の奥から何時吐いてもいいですよ、的な耐酸性でもありそうな生唾が込み上げてくる。
どうにか風呂に入り、ビュッフェがオープンしたので食べに行ってもサラダしか食えない…。

そうなったら寝るしかない。

与那国島行きでもやらかしていたが、酔い止めを飲むと途端に眠くなってしまうのだ。
そして、この揺れがゆりかごのように心地よく感じてしまうのだ。
夢見心地のまま爆睡。
本当に喰って寝るしかしていない。

目が覚めたら夕方だった。

えっちらおっちらとまた入浴。


なんと、すいせんには露天風呂が完備されているのだ。
カットが悪くてどの辺が露天かわからないが。
雨が激しく振り込んでいるあたりが露天なのだ。

そう、日本海は絶賛風雨だったのだ。

「夏と同じと思うな」
冬なんかもっと大変だと思う。


船は進んでいるので露天風呂の進行方向前方に寄れば雨には降られない。

前回は海龍だったが今回はお兄ちゃんだ。

「当たり前だ。そうそう愚弟に登場の機会を奪われてなるか」

それにしても結構激しい雨。

「傘の一つ置いておいて欲しいとも思う」
そう言う備品があるのは温泉旅館ぐらいだ。

露天の図。

ほら、露天でしょ?

一方ラダマは、

「ようけ揺れてまんなあ…」
この揺れに平然としていた。

何だか小腹が減って来た。

「そう言えば、お惣菜のパン持ってきましてん」


「おま…!この揺れでよく食えるな…!」
ちなみに今回のツーリストAは殆ど客がいなかった。

今回はスモックの水瓶座。

「何を惰弱なことを言っている!冬はこんなものではないぞ!」
「カミュお前、冬に乗ったことないだろ」


「アネロンニスキャップ、まだ余ってるで?」
「お、おう…」
敵に情けを掛けられる蠍座。

一方の海龍は、

大海原を見ながらカレーを食っていた。
「やっぱり船と言えばカレーだ!」
海軍=カレーと言うイメージもあるけど、あれは曜日感覚が狂わないためのものであって毎日食っているわけではないんだな。


何とコゲまで登場した。
「このカットのためにカレーのミニチュア持ち込んだんだぜ?管理人バカだろ?」


しかもビールにカレー。


「正気の沙汰じゃねえ」
こんな遊びをしている管理人が。


「動ずるなミロ!ベーリング海のカニ漁などこんなレベルではないぞ!」
ベーリング海を引き合いに出されても…。


場所を変えて絶賛カレーパーティー。


「つっても新日本海フェリーのカレーフェアは夏季限定で今やってないけどな」
ビュッフェのメニューを見て涙にくれた。

そして、喰ったらまた寝る。

「喰って寝てを繰り返したら太るぞー」


「お前らちったあ到着後のことを心配しろ…」
二時間遅れで下手をしたら最終列車が終わる場合もある。


「心配性だな射手座は。まあ何とかなるだろう」
結果的には何とかなる。

そして、

日が暮れてまた風呂に入っていた。


「風呂は何度入っても良いものだ」
それしかやることがないからな…。雨でデッキにも出られないし。


多少雨はマシにはなっている。

こちらは室内風呂。


「この時間になると誰もおらんのだ」


「ああ、いい湯であった」

その頃、弟は…、

こんなところにいた。

船首にあるサロンだ。


まるでキャバクラに来たおっさん。
「馬鹿め、嬢が誰もおらんではないか!」

サロンをバックにドヤ顔。


残念ながら夜間は光が漏れないようカーテンが閉められている。

で、サロンで過ごした後は…、

寝る。
「何時苫小牧に着くのか…」
「22時前の予定ではなかったか?」

夕食のビュッフェがオープンしたので行ってきた。

今後、いつ食事をとれるかわからないのでがっつり行っておく。
昼間とは比べ物にならないほどのがっつりだ。
これがアネロンニスキャップの効果。
揺れていても平気で食えるのだ。

そうこうしている内に入港の時間がやって来た。

「いよいよ下船であるな…」


「さらばだすいせんよ。何時の日かまた乗ろう」
それこそ夏あたりに…。すんません冬に乗る勇気はありません。

結局今回もスリッパが荷物に入らなかったので使い捨てを買った。
ところで、船内で喰って寝ているだけのようだが、自宅で過ごすのと一体何が違うのか。

そして、船を降りたら降りたでそこそこに大変だった。

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