2012年双子座誕遊戯。
時々休むがWSTでは定例行事になっている双子座誕遊戯。
サイト開設当初冥界系を標榜していたWSTだが、日を追うごとに黄金比率が増していると思う。天雄星、天貴星を差し置いて、なんたる非道っぷり。
射手座編
前置きはさておき、本題へと移る。
のっけから射手座の登場だ。
ド平日なので仕事着。
気が付けばすっかりレギュラーだこの人。
実に恐るべしアッペン効果。
『本日は、双子座誕である』
すぴばるでは自分の誕生日の半年前と宣言していたが、同僚の誕生日である事はしっかり把握している。
『勿論、奴の生誕を全身全霊で祝福する所存である!勤務中も祝福してやる』
全身全霊の祝福=ケーキ遊技は暗黙の了解。
意気込んでいる時に悪いが、
『双子座は有給休暇を取っているので今日はいないぞ』
『…な!?』
通りで何時まで経っても姿を現さないなと思ったら。
シフト表はよく見よう。
『ちょ、有休って、月末にそれはないでしょう教皇、何故許可したのですか!?』
『決算があるから私かて反対したわ。しかし、奴め今年度の勤務表を持って来おって「法定で定められている勤務日数を超過するので、休みが取れない場合は労働基準局に掛け合う」と脅しを掛けおったのだ。なのでまあ、忙しい時期だが、折角の誕生日だから休ませてやった訳だ…」
連中が一体どのぐらい働いているかは分からないが、取りあえず聖域と言えど労働基準局の査察は怖いらしい。
サガが来ないとあらばここにいても仕方がない。
『…俺も消化していない有休があるので、これにて早退します』
『待たんか。』
月末に二人も休まれて堪るか。
『離して下さい教皇!』
『誰が早退など認めるか!双子座が抜けた分をお前が補わんでどうする!』
サガも最初からそれが狙いで有休を取ったに違いない。月末が誕生日だからこそ成せる技。
で、そのまま連行された。
『狼狽えるな若造、決算期に加え、仕事量が二人分になる程度だ』
『いや、そこは俺と教皇の二人で折半するべきでしょう!』
何気にサガ欠員分の仕事を手伝う気のない教皇、鬼だ。
天猛星編
一方ラダマンはラダマンで、
『………』
こんな事になっていた。
『…通してくれへん…』
なんと部下によってとおせんぼ。
『困ったなあ帰れへんやん』
『…ラダマンティス様、貴方をお通しする訳にはいきません』
『忌まわしき双子座に会いにいくのでしょう?あれは悪しき聖闘士です!私は認めません 』
『人のプライベートに口出しするのは感心せんな』
公私の線引きが厳しいのがラダマ。
そりゃあ敵同士だもんな。
『このバレンタイン、命に代えても貴方を通す訳には行きません!目をお覚まし下さいラダマンティス様、貴方は惑わされているのです!あれは己の力に溺れるあまり、聖域を支配せん妄執に捕われ、欲望の果てに徒に自軍を壊滅状態に陥れた忌まわしき過去のある者なのです』
まるでLCパンドラのような説明。
『…聖闘士側の事情や過去なんか俺が知るかい。冥界的には奴は結構貢献しとるやろ多分』
懇意の部下だろうが容赦しないのがラダマ。
『命に代えてとはよく言ったものだ。命あっての物種が一体どう言う事なのか、貴様の身をもってわからせてやろう…』
『…それでも私は身を引く事はできません』
このままLCよろしくバレンタインをぶっ飛ばすのかと思いきや、
何と、ここでスタンド召還。
『出よ、我が交代勤務、ラダマンティスアッペンデックス!』
『うおおおおぉ!出勤時間にギリ間に合ったぜ!』
と、言う訳でシフト交代ついでにあっさり回収された。
『ちょ、ラダマンティス様!ちょ!』
『残念やったなバレンタイン、うちは伊達にラダマン仰山おらへんねん。ほなさいならー』
WSTならではの光景。
『…さあ、ラダマンティスに似ても似つかない者は放っておいて、俺と一緒に仕事しようかバレンタイン』
双子座編
色々あったが取りあえず落ち着く二人。
サガは有休、ラダマン夜勤明けで昼からワインを飲んでラブラブモードだ。
必殺、ステルス有休で同僚を封じたサガ。
『脅しを掛けてまで有休を獲得した甲斐があったぞ。今日は誰にも邪魔されずお前と一日一緒に居られる訳だな…』
『…俺も月末誕生日やし、やってみよかなステルス有休』
勿論、受理されない事請け合い。精々できて無断欠勤。
ケーキも定例。
『しかも、ちゃんとケーキ買うてあるねん』
今年のケーキは、
小さいが、二段なのがややゴージャス。
感無量。
『嬉しいぞラダマンティス。お礼は身体でたっぷりと返してしまうぞ?』
すっかりラブラブ。
こいつら、ケーキ遊技をする前からイチャイチャしている。
そう言う事をしていると必ず闖入者が現れるのもWSTの仕様。
『随分とお盛んだな。兄さん』
『!!』
何時からいたのかはわからないが、はっきり言って嬉しい光景ではない。
『何しに来た出歯亀カノン!』
『自分、久しぶりに出くわしたなあ』
言われてみれば、双子座カノン乱入と言えば2・3年前まではお決まりの光景だったが、近年兄貴の冥サガにとっ捕まってからはめっきり無くなっていた。
『…フ、そう邪険にするな愚兄。俺は去る人物から身を隠しているだけにすぎん。ほとぼりが冷めるまで、暫く滞在を認めろ』
『愚兄呼ばわりされて邪険にしない奴がおるか!』
ごもっとも。
『そう言えば、冥サガがお前の事探しとったな』
去る人物とは言わずと知れた自分の兄貴。
『誕生日が一緒だから互いの肉体をプレゼントとして交換しあおうと訳のわからん事を言い出してな、いろいろと身の危険を感じて逃げ出して来た訳だ』
『話だけ聞いてると魂でも交換するんかいなと思えそうな内容やな』
何だか黒魔術的な雰囲気も感じなくはない。
にべもなく撥ね付けるサガ、
『お前等の事情など知るか。誕生日が一緒ならお前等二人で完結してろ、こっちまで来るな!』
『冷たいな兄さん、誕生日が終わるまでちょっと身を隠すぐらい良いじゃないか』
しかし、やっぱりカノンはカノン。
『ちょっと身を隠すついでにそこのケーキと、ラダマの貞操を分けてくれたら済む話だ』
盗人猛々しいとか、そう言う域を超えている。
『………』
とるべき手段はただ一つ。
『…ああ、冥闘士の私か?…勿論穿いておらぬわ。お前の探している双子座カノンの居場所がわかったぞ』
『…なッ!!!!!!』
回収依頼終了。
『身内を売るとは何事だ!幾ら何でもそれは許さんぞ愚兄!』
『やかましい!然るべき人物に回収されて然るべき場所に還れ!』
『早よせんと冥サガが来るでー』
これほど覿面な撃退法があるか。
その頃射手座は、
教皇の書類で築かれたクリスタル・ウォールを突破して退勤していた。
『高速で仕事を終えてやったわ!』
決算期に二人分の仕事をこなして定時で退勤、流石は黄金聖闘士。
で、サガ探しに奔走している訳だが、
これじゃない…。
聖サガを探していると高確率でこいつに当たる。
『…違う、サガいると聞いたら何で大体こいつなんだ…』
そのうち、EXサガにも当たると思う。伊達に双子座類は大量にいない。
『人を捕まえておいてハズレ扱いとは何だ貴様?』
『私だって可愛いツンデレ弟を捜しているのにむさ苦しい貴様の顔など拝みたくないわ。大体な、私は唐揚げに塩派なのに、唐揚げにレモンを振ってしまう貴様が普段から気に喰わんのだ』
『そう思うなら、俺がレモンを振る前に自分の皿に取り分けろよ』
何とここでも唐揚げ談義。
『何だと貴様!第一私が唐揚げを皿に取る前の段階でもう既にレモンを振っているではない……?!』
唐揚げ争議中何と、ここで携帯が着信。
『…スマン、着信だ。…私だ』
『「私だ」って言って電話に出る奴、本当にいるんだな…』
『私だ』も大概奇妙だが、
『ああ?聖闘士の私か?パンツは何色だ?…無論私も穿いておらぬわ』
『何でパンツの色なんか聞いてんだ?…しかも、穿いてねえし』
何かの暗号にも聞こえるが、実際のところ冥聖サガ間の何の意味もない挨拶だったりする。
喧嘩は既にそっちのけ。
『…なに?双子座カノンがお前の元にいるだと!?そうか良くぞ教えてくれた聖闘士の私。今すぐそっちに向かおう』
『…………』
一方、聖サガ達は絶賛喧嘩中だった。
『それが人のする事か!貴重な休暇を変態に一日食いつぶされるのだぞ!貴様は鬼か!』
『私の知った事か!精々変態と仲良くしておれ!この変態』
そんなこと言っても、こいつら皆変態だ。
『…誰か来たみたいやな…』
確かに電話で冥サガに通報はしたが、
何ともう一人付いて来ていた。
『捜したぞ!私のツンデレ弟!!!!』
『捜したぞ!俺のツンデレ同僚!!!!』
何かもう一人付いて来ている。
『馬鹿な!アイオロス!何でお前まで付いて来た!?』
『それ見たことか愚兄!通報など余計なことをするからだ!』
しかも、側にはケーキ。
地味に絶体絶命の危機。蛇に睨まれた蛙状態。
こんなにおめでたくないムードの誕生日があって堪るか。
ケーキ遊技と言えばお約束。
脱いだ!
『ケーキと共にお前等も味わい尽くしてやるぞ!』
が、
『だが断る!』
渾身の足払いで見事二人ともケーキに叩き込んだ。
何つう身のこなしの速さ。流石は黄金聖闘士。
『こら!貴様!退け!幾らサガでもお前とケーキ遊技は御免だぞ!』
『私かてむさ苦しいお前など御免だわ!』
『お前等、そこで好きなだけ乳繰りあってるが良い』
ケーキはかなり惜しいけどな。
戦慄するラダマとカノン。
『…取りあえず、ケーキ遊技せんで済んだ…』
『取りあえず、襲われなくて済んだぜ…』
以上、2012年双子座誕遊戯大会でした。