クッキー遊戯大会。

こんなことやっていました。

先日、四条烏丸界隈でこんな店を発見しました。
見た目は雑貨屋さんと言うか酒屋さんですが、
表に貼ってあったこれに惹かれてしまいました。

ええ?修道院製??

修道院とクッキー。一体どう言う関連が??
クッキーで得た収益を、慈善活動に回しているのでしょうか??

修道院で焼いたクッキー、それは即ち、

『この私が焼いたと言うことになるな!』
んな訳ねえだろ。
しかし、ネタで着せたはずの尼僧服なのに、身も心も尼僧になってしまいましたね。

と、言う訳で一つネタに買ってしまいました。

全てはネタのため。

伊万里って…、

佐賀県じゃないですか。
佐賀までいかんと手に入らんクッキーがなんと京都で。

何たる不覚!

『…こんなところに忌々しい男の名が!』
忌々しいって、お前の兄だぞ。

で、クッキーを買って一体どうするのかと言うと、

一人寛ぐラダマイス。

目的は言わずがな知れているような。

その登場はやっぱり神出鬼没。

ラダマイス『…おおカノン。何か用か?』
シスターカノン『…まあ、そんなところだ』
ちなみにサガはお仕事中。

その用と言うのが、

シスターカノン『今日はお前に土産を持って来た』
ラダマイス『??土産?』

それはやはりこれだ。

シスターカノン『クッキーをお前にと思ってな』
ラダマイス『クッキーをオレに??』

伊万里って、書いてある。

ラダマイス『…お前、まさか佐賀まで行って来たのか?』
妙なところに着眼点。
シスターカノン『忌々しい奴の名はどうでも良い!』
忌々しいって、お前の兄だぞ。

ともあれ、

シスターカノン『私からの手土産だ。遠慮無く食べてくれ』
ラダマイス『何時の間に行ったんだ佐賀…』
だから、行ってないって。

丁度小腹が空いていたので、

ラダマイス『有り難くいただくのだ』
シスターカノン『うむ』

煩悩シスター。

シスターカノン(そのクッキーには媚薬が仕込んであるのだ)
何と言うベタな発案。
こいつが気前良くクッキーを人に与える動機なんて、大体こんなものだ。

そう言う陰謀に全く気付かないのもラダマイスクオリティ。

ラダマイス『美味しそうなのだv』
と言いつつ、内心何時までそこに立っていると思っている。

が、そこに。

APラダ『ああー、いいなあカアチャンだけ』
こう言う状況で脅威を発する稀代のKY男、APラダの登場だ。
余計なのが来たと言いたげなシスターカノン。

しゃあないやっちゃな。

ラダマイス『半分分けてやるから』
APラダ『やったあ』
と、言いつつ何気に小さい方を渡す。

分けるんかい!

シスターカノン(まさか、こんな状況でこいつが現れるとは…!)
そりゃあ稀代のKYですから。

しかし、

シスターカノン(…だが、ラダマン二人掛かりに言い寄られるのも悪くはないな…)
結構見境がない。守備範囲は広そうだ。
しかし、地顔でなんて嬉しそうなんだ。

そうとは気付かず食べ続けるラダマンども。

そう言った陰謀に全く気付かないのは連中の仕様です。

欠片が小さいのであっという間に食べた。

APラダ『カアチャンもっとくれ!』
ラダマイス『…もう食べたんかい』

更に自分の分を分ける。

ラダマイス『…ほれ』
APラダ『やったあ』
どうせ直ぐに平らげるから小さいのを小分けにして与えているのか。

順調に消化。

シスターカノン(その調子だラダマンども。喰え喰え)
そう思う一方でラダマイス、
ラダマイス(何時までそこに突っ立ってるんだこいつ??)

消化中。

APラダ『♪』
そう言えばAPラダって、登場後暫くはそんなに甘党でもなかったような。

消化…。

APラダ『………』

何か様子が変だ。

APラダ『…カアチャン…』
ラダマイス『どないしたトウチャン。急激に喰って腹の調子でも崩したか?』

遂に薬が効いて来たか。

ほくそ笑むカノン。
しっかし、エラいモン喰わすな。

…で、


APラダ『…良く見たら、凛々しい繋がり眉毛だな…v』
ラダマイス『…お前も繋がっとるぞ?』

そっちかよ!

ほどよい仰け反りっぷりだカノン。
APラダ『その無表情なやる気のない顔、良く分からない瞳の色、
長い首、どれをとっても素敵だ』
ラダマイス『…お前、もしかしてオレに喧嘩売ってるか??』

APラダの豹変によろめくカノン。

シスターカノン(…馬鹿な!何でそっちに行くんだ!)
そんなの、こっちが聞きたい。

気が付きゃラダマン二人の世界。

APラダ『…やっぱり素敵だ。惚れ直したぞカアチャン』
ラダマイス『何をする!お前、何か悪いものでも喰ったか!?』

悪いものって、たった今食べたこれしかないだろう。

シスターカノン『馬鹿な!折角混ぜた媚薬がこんな展開になるだなんて!』

媚薬だと!?

ラダマイス『…ちょっと待てやコラ、媚薬とは何だ!?』
混乱序でについついネタバラシ。
結構抜けている。
カノン『むうぅ…』

逃げた!

シスターカノン『…おのれぇ!』
ラダマイス『…コラ!どこへ行くカノン!待たんかい!』
こいつを何とかしていけ。

一方、衝撃の告白が。

APラダ『母親役にならんために先手を打ってお前のことをカアチャン呼ばわりしていたが、
やはりチビラダのためにも本物の夫婦の契りを交わそうではないか』
ラダマイス『そう言う経緯で人をカアチャン呼ばわりしていたのか貴様は!』
で、それを何となくトウチャンで返していたラダマイス。

良く考えたら不思議な関係だこいつら。

瞳の色が変わったぞ。
APラダ『…優しくできる保証はないが精一杯の誠意で対応しよう』
これぞラダマン節。
ラダマイス『…何を言うとるのだお前は』
これもラダマン節。

そこに、

間の悪いことに、チビラダが湧いて来た。
ラダマイス『こらチビ!見せもんじゃない、あっち行ってろ!』
これは教育によろしくない。

チビだって、小さいが子供ではない。

そこには大人の事情があるのだと一人納得。

で、

クッキーだけは貰っていく。
ラダマイス『待てチビ、それだけは食うな!』
止めたいがAPラダ凄い馬鹿力なので身動き取れない。

喰うのをやめろと言ってやめた試しはない。

いただきます。
ラダマイス『それを食うな!毒が入っているぞ!』
何たる物言い。
勿論チビラダにそんなハッタリ通用しません。

で、結局。

ラダマイス『チビラダまで〜ッ!』
これはこれで良いんじゃないのか。
何にしてもラダマイス、モテモテだ。
当人不本意なので踏んだり蹴ったりだが。

一方、


子供のようにダッシュをして逃げて来たシスターカノン。
失意のまま研究室台所へ向かう。
シスターカノン『…私の研究は失敗なのか…』
失敗も何も、そんなもの成功する訳ないだろう。

尼僧だがマッドサイエンティストも兼任しそうな塩梅。

シスターカノン『媚薬としての効用は期待できるものだ。
後は、恋愛の対象をいかようにして私に向けるかが今後の課題だ』
問題点はしっかり把握しているご様子。

そこに、

海竜カノン『ようシスター。相変わらず辛気くさい顔だな』
何つう挨拶。
シスターカノン『辛気くさいとは随分なご挨拶だなブラザー』
何故にブラザー。それはシスターと呼ばれたから何となく。
ラダマイスのトウチャンもそれに類似する。

普段犬猿の海竜カノンが絡んで来るなんて。

海竜カノン『…フ、まあそんなこと良いだろう。
それよりも』

!?

海竜カノン『流石は神を誑かした男だな。
普段はいけ好かない奴だがなかなか良い男ではないか…』
似たような顔で何を言う。
シスターカノン『誑かしたのはお前の方だろ。何か悪いものでも喰ったか』

まさか!

シスターカノン『まさか貴様!試作品のクッキーに手を付けたな!』
海竜カノン『ああ?小腹が空いたのでそこにあったクッキーは貰ったぞ』
食い物にいやしいこいつなら十分に考えられる展開だ。

で、

海竜カノン『つべこべ言わずに大人しくオレのものになれ!』
世の中サガ×カノンは星の数ほどあれども、カノン×カノンはそれほどないだろう。
これぞマイス遊戯だからこそ成せる技。
シスターカノン『血迷うな!頭を冷やせブラザー!』
いや、血迷わせるのが媚薬の役目では?

で、そのブラザーが仕事からお戻りに。

『………』

戻って来たら来たで修羅場が展開されていた。

サガ『…春だな。お前達』
シスターカノン『襲われているのだ!見ていないで助けろ!』
なんてエラそうな物言い。

邪魔したら悪いよな。

サガ『…夕飯までには戻る』
シスターカノン『…待てサガ!オレを見捨てる気か!!!!』
見捨てるも何も、関わりたくないからに決まっている。

…で、その頃ラダマイスどもは更に妙なことになっていた。

ページの上に戻る